日本にほんのライブの楽たのしみ方かた―ヴァディム・ヴァッシレヴスキーさん

みなさん、こんにちは。音楽おんがくは私わたしたちの人生じんせいで重要じゅうような役割やくわりを果はして、現在げんざい、どんどん盛さかんになっているのは演奏会えんそうかい、すなわちライブです。世界中せかいじゅうのファンたちは自分じぶんの好すきな演奏者えんそうしゃを見みて、生なまで音楽おんがくを聴きくために自分じぶんの国くにだけでなく、海外かいがいのライブに行いくのも珍めずらしくないです。日本にほんでほぼ１年間いちねんかん生活せいかつしてきて、私わたしが好きな日本にほんのバンドや歌手かしゅの生演奏なまえんそうを見みに行いく唯一ゆいいつの機会きかいを見逃みのがすわけにはいきませんでした。しかし、最近さいきんの新型しんがたコロナウイルスのせいで私わたしが行いけたライブ数すうは3つみっつにとどまりました。にもかかわらず、その3つみっつのライブは喜よろこびと興奮こうふんにあふれて、大事だいじな思おもい出でになりました。そこで自分じぶんの経験けいけん、そして日本にほんと海外かいがいのライブの相違点そういてんについて少すこし話はなしたいと思おもいます。

日本にほんのライブはチケットの取とり方かたが複雑ふくざつ

日本にほんのライブのチケット入手にゅうしゅは初心者しょしんしゃの私わたしにとってかなり複雑ふくざつだったので、最初さいしょはそれについて説明せつめいしておきたいです。販売はんばい方法ほうほうはだいたい3つみっつあって、先行販売せんこうはんばい、一般販売いっぱんはんばい、そして当日販売とうじつはんばいです。
先行販売せんこうはんばいは、最初さいしょに行おこなわれる一定いってい期間きかんの販売はんばいで、それが終おわったら一般いっぱん販売はんばいが始はじまります。そのため、先行販売せんこうはんばいが一番いちばんいいチケットを確保かくほする機会きかいで、通常つうじょう、抽選ちゅうせんで行おこなわれています。重要じゅうような点てんは、人気にんきのアーティストの場合ばあい、大部分だいぶぶんのチケットがその段階だんかいで売うられています。先行販売せんこうはんばいの期間きかんを見逃みのがしたり、抽選ちゅうせんに外はずれたりしたら、次つぎの方法ほうほうは一般販売いっぱんはんばいで買かうことになります。一般販売いっぱんはんばいは、抽選ちゅうせんではなく、申もうし込こみ順じゅんです。早はやめにチケットを購入こうにゅうすれば手てに入はいります。有名ゆうめいなアーティストの場合ばあい、一般販売いっぱんはんばいのチケットが一瞬いっしゅんで売うり切きれることは珍めずらしくないです。私わたしがチケットを買かおうと思おもってちょうど発売開始はつばいかいし時間じかんにLoppiというコンビニにある端末たんまつの画面がめんを触さわったら、サーバーエラーのような通知つうちが出でて、「ああ、もう買かえないんだ」とガッカリしましたが、幸さいわいなことに10分後じゅっぷんごチケットを購入こうにゅうすることができました。それは多分たぶん最後さいごの200枚まいだったと思おもいます。それから、当日販売とうじつはんばいのチケットは文字もじ通どおりライブの日ひに売うられている売うれ残のこり、またはキャンセルされたチケットです。しかし、当日販売とうじつはんばいで買かえるのはあまり人気にんきのないアーティストのライブが多おおいです。

ライブの開場前かいじょうまえと入場にゅうじょうの様子ようすが印象的いんしょうてき

大おおきな印象いんしょうを残のこしたのは開場前かいじょうまえと入場にゅうじょうでした。私わたしが初はじめてライブに行いったとき、開場かいじょうの数時間前すうじかんまえに来きて、入場にゅうじょうの列れつに並ならぶのではなく、アーティストグッズを着きた大勢おおぜいの人々ひとびとが会場かいじょうの周囲しゅういに座すわっている姿すがたが見みえました。ヨーロッパの場合ばあい、入場にゅうじょうは先さきんずれば人ひとを制せいす、すなわち先さきに行列ぎょうれつに並ならんだ人ひとが先さきに会場かいじょうに入はいれます。そのため、そのとき私わたしは凄すごく驚おどろいて、何なにをすればいいかわからなくてとても困こまりました。しかし、日本にほんでは、ライブのチケットには普通ふつう、整理番号せいりばんごうが書かいてあって、その番ばんごう号は入場順にゅうじょうじゅんを示しめしています。開場時間かいじょうじかんになると、会場かいじょうスタッフが入場にゅうじょうの案内あんないして、先さきに入はいれる整理番号せいりばんごうをアナウンスします。そのため、混乱こんらんも避さけられて、ライブの前まえに早はやめに来きて時間じかんを無駄むだにすることもありません。

ライブのワンドリンク制せいもおもしろい

次つぎの大おおきな相違点そういてんはいわゆるワンドリンク制せいです。ライブの場合ばあい、チケットには普段ふだん「ドリンク代別だいべつ」などと書かかれていて、ライブ会場かいじょうに入はいるとき、飲のみ物ものを買かいたいにせよ、買かいたくないにせよ、受付うけつけでドリンク料金りょうきんを支払しはらう必要ひつようがあります。値段ねだんは300円さんびゃくえん～600円ろっぴゃくえんで、トークンやチケットなどもらって、ライブの前後ぜんごや最中さいちゅうにドリンクと交換こうかんできます。ヨーロッパでは、会場かいじょうで飲のみ物ものを買かうのは自由じゆうです。私わたしが買かったチケットを見みてみると、「入場時にゅうじょうじドリンク代別途必要だいべっとひつよう」と「入場整理番にゅうじょうせいりばん号ごう」と書かいてありました。

暴あばれる日本にほん人じんの姿すがたにびっくり

ライブ会場かいじょうは特別とくべつな雰囲気ふんいきに包つつまれて、海外かいがいのライブとかなり異ことなります。多おおくの日本にほんのライブハウスは撮影さつえいが禁止きんしされていて、スマホを出だして写真しゃしんを撮とろうとして迷惑めいわくをかける人ひとがいません。そのため、観客かんきゃくは完全かんぜんに演奏えんそうに集中しゅうちゅうでき、大切たいせつな瞬間しゅんかんを楽たのしめます。また、日本にほん人じんのファンたちの精神せいしんは特別とくべつだと考かんがえます。大勢おおぜいの人ひとがスウェットなどの運動着うんどうぎで会場かいじょうに来て、入場にゅうじょう前まえにアップやストレッチをして、ライブが始はじまったらすぐ全力ぜんりょくで楽たのしみます。クラウドサーフィンをしたり、みんなで肩かたを組くんでヘッドバングしたり、跳とんだりしています。それ全部ぜんぶを好すきなアーティストの生演奏なまえんそうと組くみ合あわせれば、忘わすれられない素敵すてきな思おもい出でが作つくられます。そして、見慣みなれた静しずかな日本人にほんじんと真逆まぎゃくに暴あばれる日本にほん人じんの姿すがたは凄すごく面白おもしろかったです。ちなみに、私わたしはライブのとき奇跡的きせきてきに一度いちども押おされたり殴なぐられたりしたことはありません。

留学期間りゅうがくきかんのライブに行いった経験けいけんは実じつに有意義ゆういぎでした。チケットの入手方法にゅうしゅほうほうや整理番号せいりばんごう、ワンドリンク制せいなど、日本にほんでライブに行いく外国人がいこくじんにとってややこしいことがいくつかありますが、ライブそのものは非常ひじょうに楽たのしかったです。さらに、日本にほん人じんのイメージと全然ぜんぜん違ちがう行動こうどうを目撃もくげきするのは珍めずしい経験けいけんでした。ファンたちの勢いきおいとあのとき感かんじていた一体感いったいかん、そしてアーティストのハイレベルなパフォーマンス。今いまでも「ああ、行いけて本当ほんとうによかったな」と思おもい出だします。

（終おわり）