2022.04.19
「無意味」ーヌンさん
「無意味」-ヌンさん
人間の人生とは、悲劇である。
それは大人になってから、理解したくなくても理解してしまったことだ。毎晩、このような道徳的な思想のせいか、生きる意味を探し続け、気づかないまま一秒たりとも寝ずに過ごす夜が日に日に増えてくる。「教育では大切なことほど教えてもらわなかったし、それが山ほどある」という当たり前の事実を前に、自分が選択した生き方が最初から間違っていた可能性に悩まされている。結局私は、この灰色な世界の中で、幸せになるために生きていたのか。そもそも、「幸せ」を感じる方法など、教育の中では教えてもらわなかった。
人種にかかわらず、教育をとおして「幸せ」の意味さえ教えてもらわなかった子供は、大人になって、形式的に結婚して、「幸せ」を分からないまま家庭を築く。「幸せ」を分からないままでは、幸せに対する「ありがたみ」など分からなくなるだろう。ありがたみを知らなければ、産んだ子供の命がもたらす幸せとその「ありがたみ」など理解できるか、疑問に思う。子供はともかく、猫一匹にも命があるということさえ理解できないのではないだろうか。そのような大人は、「幸せ」についての考え方を、子供に教えられるのだろうか。
結局、「幸せ」の意味を知らないまま結婚してしまった大人は、何のために婚約指輪を購入したのだろう。その指輪で他人に自分の「幸せ」を見せびらかして、他人の嫉妬に舞い踊るためなのであろうか。そんなふうに生きて人生を楽しむのは、乗用馬の人生よりも、よっほど醜い。
(終わり)